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遺言の執行

遺言の執行とは、遺言の検認を受けて、遺言の効力が発生した後、遺言書の内容を実行する手続のことです。

遺言執行者とは、遺言の内容を実現する者のことです。

遺言者は、遺言によって遺言執行者を指定することができます。また、遺言執行者が指定されていないとき又はなくなったとき、家庭裁判所への申立てにより、遺言執行者を選任することができます。

遺言書の実現には、登記の申請や引渡しの手続、認知届の提出など、さまざまな手続があり、手間がかかるものも含まれています。

遺言執行者を指定しておくと、遅滞なく遺言書の内容を実行していくことができるというメリットがあります。

遺言執行者の指定は、遺言の中だけで認められていて、生前の取り決めはできません。
職務が複雑になると予想される時は、遺言執行者を複数名指定しておくこともできます。
また、遺言で指定を受けた人が、遺言執行者を辞退することも認められています。

遺言執行者になれない者(欠格事由)

  • 未成年者
  • 破産している者
未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。(民法 第1009条:遺言執行者の欠格事由)

遺言の実行手続

遺言執行者が実際どのように遺言書の内容の実行手続きを進めていくのか見ていきましょう。

1

遺言者の財産目録の作成

財産を証明する登記簿、権利書等を集めて調査した上で財産目録を作り、相続人に提示します。

2

相続人の相続割合の分配

財産目録または遺言で指定された相続割合に沿って分配します。また、登記申請や金銭の取立ても行います。

3

相続財産の不法占有者への明け渡し、移転の請求

相続財産を不法に占有している者に対して、相続財産の引き渡し請求を行います。

4

遺贈受遺者への資産の引渡し

法定相続人以外に財産を遺贈したいという希望が遺言書にある場合、その配分・指定にしたがって、受遺者へ遺産を引き渡します。この際、所有権移転の登記申請も行います。

5

認知の届出

非嫡出子の認知の遺言があるときは、戸籍の届出を行います。
※遺言による認知の場合、遺言執行者しかこの届出を行うことができません。
遺言執行者がいない場合には、家庭裁判所へ、遺言執行者の選任の申立てを行います。

6

相続人の廃除

遺言書に廃除の記載がある場合には、家庭裁判所へ、相続人の廃除を申し立てます。
※遺言執行者しか行うことができません。


以上の職務に加え、相続人に対して遺言執行状況の報告義務があります。
相続人、受遺者へ財産を受け渡す義務がありますので、財産管理の権限を有しています。
そのため、執行が済むまではすべての財産の持ち出しを差し止めることができます。

遺言執行者への報酬

遺言によって遺言者と遺言執行者の間で報酬を定めておくことができます。

遺言で記載されていない場合には、遺言の執行が終了した後、相続人と遺言執行者の間で話し合って報酬額を決めます。
また、家庭裁判所に依頼して定めてもらうこともできます。

家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。(民法 第1018条:遺言執行者の報酬)

遺言執行の手続の依頼

遺言執行の手続は、複雑で法的な判断を求められる場面が生じるほか、遺言の内容によっては相続人同士で利益が相反するために、相続人全員の同意を得にくい場合があります。
相続に詳しい知識をもった弁護士など、公平な立場にある第三者への委任をおすすめします。

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