※掲載している事例内容は解決当時の法令に従ったものとなっております。
事例68 貯金の払い戻し請求を一度は銀行に拒否されたが、弁護士に依頼し手続き完了。
- ご相談者Aさん・妻(70代)
- 亡くなった夫名義の預貯金の払戻しに銀行が応じてくれません…
- ご相談までの経緯・背景
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Aさんの夫Bさんが急に亡くなりました。
Bさんの相続財産は預貯金のみだったのですが、銀行はAさんに被相続人であるBさん名義の預貯金の払戻しに応じてくれませんでした。
Aさんが相続人を調べたところ、Bさんには既に亡くなった兄弟も含めて相続人が10名以上いることが分かりました。
このような複雑な家族関係において相続人が誰になるかもわからず、全員と連絡を取ることは不可能でした。
Aさんたちには子どもはおらず、高齢なため対応に困ったAさんは、当法律事務所に相談にいらっっしゃいました。
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AさんはBさんが銀行に有していた預貯金を払戻してもらうことを希望しています。
しかし、銀行は万が一相続人でない人に預金を払戻してしまった場合に、もめごとが生じたり、相続人間で紛争が生じることを回避するために、相続人と名乗る人の預貯金の払戻し請求に簡単には応じてくれませんでした。
- 解決までの流れ
弁護士はAさんの代理人として、銀行に対し、預貯金の払い戻しを請求することにしました。
被相続人が有していた銀行の預貯金債権は、原則として、相続時に各相続人に法定相続分のとおりに分割され、個々の相続人がその分の債権を取得すると考えられています。
本件のように配偶者がいるものの子どもがいない被相続人の相続において、相続人となるのは配偶者とその直系尊属または兄弟(もしくはその子ども)となります。
Aさんの他に、Bさんの兄弟(Hさん・Nさん・Oさん・Pさん)および兄弟の子ども(Fさん・Gさん・Jさん・Kさん・Mさん)の計10名が相続人となります。
そして、この場合Aさんは相続財産の4分の3を法定相続分として有していることになります。
弁護士は、Bさんの10名の相続人全員と連絡を取ることは不可能であることを銀行側に主張し、預金全額ではなくAさんの法定相続分である4分の3の分の預金を払戻すことを請求しました。
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結果・解決ポイント
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弁護士の主張が銀行側に認められ、銀行からBさんの預金債権の払戻しがなされました。
前述のとおり、法律上、預金債権は相続時に分割され、相続人にそれぞれ帰属することに争いはないのですが、銀行との関係においては、銀行側の都合からなかなか払戻しに応じてくれず、現金を引き出すことのできないのが現状です。
預金債権が相続財産にあり、お困りの方は是非、弁護士に相談にいらしてください。
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