コラム

公開 2022.03.08 更新 2024.02.26

相続財産に自動車がある場合の名義変更手続きとは?

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相続財産に自動車がある場合、名義変更の手続きはどうすれば良いのでしょうか?

自動車の相続手続きは、不動産や預貯金などとは異なり、車庫証明の取得や運輸局での手続きが必要となります。

必要な書類やどこで手続きを行うのかなどについて、弁護士が詳しく解説いたします。

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相続財産に自動車がある場合

相続が発生し、お亡くなりになった方(以下、「被相続人」といいます。)の財産の中に「自動車」がある場合、どのような手続きをとる必要があるのでしょうか?

「自動車」の所有者が亡くなった場合、当該自動車は、相続人全員の共有財産となり、相続手続き(名義変更)が必要となります。
また、「自動車」の相続手続きは、車庫証明の取得や運輸局への申請など「自動車」特有の手続きも多く、簡単に名義変更ができるというものではありません。

ここでは、「自動車」特有の手続きを含め、相続が発生した場合の自動車の名義変更手続きについて、解説いたします。

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まずは、自動車の名義人を確認しましょう

相続財産に自動車がある場合の名義変更手続きとは?

まずは、被相続人の自動車について、車検証(自動車検査証)の所有者の欄を確認しましょう。

車検証は、車に備え付けていないと罰則がございますので、通常車内に備え付けられています。
そのため、まずは、車両の車内を確認して、車検証を見つけましょう。
そして、見つかった車検証の所有者欄を確認し、「被相続人」名義となっているか確認しましょう。
 
自動車購入時にローンを組み、そのローンの支払いが残っている場合などは、所有者の名義が、クレジット会社やディーラー、販売店などとなっている場合もあります。
そのような場合は、名義人に連絡をして、相続手続き(名義変更)について確認するようにしましょう。

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誰が、自動車を相続するかを決めましょう

自動車の所有者が、被相続人であることが確認できたら、誰が自動車を相続するかを決めましょう。

遺言書があり、遺言書にて自動車の承継者が記載されている場合は、当該遺言書を用いて、名義変更の手続きをすることとなります。
遺言書が無い場合は、相続人で協議をして、誰が自動車を承継するかを決定し、遺産分割協議書を作成しましょう。
遺産分割協議書の作成ができたら、当該協議書を用いて名義変更の手続きをすることとなります。

なお、自動車の価格が100万円以下の場合は、「遺産分割協議成立申込書」という、相続する人の実印だけで手続きが可能な書面を用いて名義変更をすることも可能です。
ただし、当該申込書を使用する場合でも、他の相続人の同意は得ておくようにしましょう。

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自動車の車庫証明を取得しましょう

被相続人が所有していた自動車を誰が相続するか決まったら、相続する人が警察署にて車庫証明を取得する必要があります。
 
車庫証明(自動車保管場所証明書)とは、車の保管場所が確保されていることを警察署長が証明するもので、車両購入時や所有者の変更・保管場所の変更をする場合に、車庫証明の申請が必要となります。

自動車を相続する人は、当該自動車の保管場所を管轄する警察署の窓口にて、車庫証明の申請を行いましょう。
(新型コロナウィルス感染症の感染防止のための緊急事態宣言が発令されている地域では、郵送にて手続きを行うことが可能なところもあります。詳しくは、各警察署のHPをご確認ください。)
 
申請に必要な書類は、主に、以下のとおりです(各警察署のHPからダウンロード可能)。

  • 自動車保管場所証明申請書
  • 保管場所標章交付申請書
  • 土地使用に関する権利関係を証する書面(保管場所使用権原疎明書面又は保管場所使用承諾証明書)
  • 所在図・配置図

手数料は、都道府県によって異なりますが、2,100円前後となります。
また、申請から車庫証明の発行までには、3日~1週間程度時間がかかります。
車庫証明の発行がされたら、500円前後の手数料を支払い、標章を受け取って、車の後窓に貼付しましょう。
 
車庫証明の申請手続きは、行政書士や自動車販売店に代行してもらうことも可能です。
書類の収集や記載方法が分からない場合や申請手続きをとる時間が無い場合は、専門家に手続きを依頼することも検討すると良いでしょう。

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運輸局で、名義変更の手続きをとりましょう

相続財産に自動車がある場合の名義変更手続きとは?

車庫証明が発行されたら、運輸局にて、名義変更の手続きをとりましょう。
主な必要書類は、以下のとおりです。

  1. 戸籍謄本(全部事項証明書)又は法定相続情報証明書
    • 自動車の所有者の死亡が確認できるもので、死亡した所有者と相続人全員の関係が全て確認できるもの
  2. 車検証
  3. 車庫証明(証明の日から1ヶ月以内)
  4. 申請書・手数料納付書(※運輸局HPからダウンロード又は窓口にて取得)
  5. 自動車を承継する相続人の印鑑登録証明書・実印(発行日から3ヶ月以内)
  6. 自動車を承継する相続人が分かる書類(次のうち、いずれかのもの)
    • 相続人全員の実印の押印がある遺産分割協議書
    • 遺言書(自筆証書遺言の場合は検認済みのもの)
    • 遺産分割に関する調停調書
    • 遺産分割に関する審判書(確定証明書付き)
    • 判決謄本(確定証明書付き)

※管轄が変更になる又はナンバー変更希望の場合は、当該自動車で運輸支局に行きナンバープレートを外すことになります。
※自動車の価格が100万円以下の場合は、査定書と遺産分割協議成立申込書にて、⑥に代えることが可能です。

運輸局での名義変更に必要な書類は大変複雑ですので、分からないことがあれば、運輸局の窓口に問い合わせるか、名義変更手続きを行政書士などの専門家に依頼するようにしましょう。

 
自動車を承継する人が、継続して自動車を使用する場合は、保険契約の名義変更や加入手続きが必要となりますので、こちらも忘れずに行うようにしましょう。

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軽自動車の相続手続きについて

相続財産の中の「自動車」が軽自動車の場合は、遺産分割協議書や相続人全員の印鑑登録証明書などは、不要となります。
なお、軽自動車の場合、名義変更を行う場所は、運輸局ではなく、軽自動車検査協会となりますので、間違えないように注意してください。
軽自動車の場合の名義変更の主な必要書類は、以下のとおりです。

  1. 車検証
  2. 所有者の死亡と死亡した所有者と承継者の関係が分かる戸籍謄本・全部事項証明書又は法定相続情報証明書
  3. 軽自動車を承継する相続人の住民票の写し又は印鑑登録証明書(発行後3ヵ月以内)
  4. 申請依頼書(※代理の人が手続きを行う場合に必要)
  5. 軽自動車税申告書
  6. 車検査証記入申請書

④~⑥は、軽自動車検査協会の窓口、国土交通省のHPからのダウンロードにて入手が可能です。
他にも書類が必要となる場合がございますので、ご自身で手続きを取られる際は、必ず事前に軽自動車検査協会に必要書類の確認をするようにしましょう。
必要書類が揃ったら、認印を持参の上、軽自動車検査協会にて手続きを行いましょう。
 
自動車の名義変更手続きに比べて簡易的といえども、軽自動車の名義変更手続きも複雑ですので、なかなか時間がとれないという場合は、行政書士などの専門家に依頼すると良いでしょう。

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まとめ

自動車の相続手続きは、不動産や預貯金などとは異なり、車庫証明の取得や運輸局での手続きが必要となります。
なかなか慣れない手続きも多いかと思いますので、少し費用はかかりますが、専門家に依頼することも検討すると良いかと思います。
また、被相続人の財産内容が分からない、相続人間で分け方が決まらないという場合は、当事者だけで行うと負担が大きくなってしまいますので、適宜専門家を活用して、手続きがスムーズに進むようにしましょう。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

自動車の名義変更を行うためには、遺言がない場合、原則として遺産分割協議書が必要となります。
また、手続きも煩雑ですので、お困りの場合には専門家にご相談されることをお勧めいたします。

Authense法律事務所が選ばれる理由

Authense法律事務所には、遺産相続について豊富な経験と実績を有する弁護士が数多く在籍しております。
これまでに蓄積した専門的知見を活用しながら、交渉のプロである弁護士が、ご相談者様の代理人として相手との交渉を進めます。
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遺産に関する問題を弁護士にご依頼いただくことには、さまざまなメリットがあります。
相続に関する知識がないまま遺産分割の話し合いに臨むと、納得のできない結果を招いてしまう可能性がありますが、弁護士に依頼することで自身の権利を正当に主張できれば、公平な遺産分割に繋がります。
亡くなった被相続人の財産を調査したり、戸籍をたどって全ての相続人を調査するには大変な手間がかかりますが、煩雑な手続きを弁護士に任せることで、負担を大きく軽減できます。
また、自身の財産を誰にどのように遺したいかが決まっているのであれば、適切な内容の遺言書を作成しておくなどにより、将来の相続トラブルを予防できる可能性が高まります。

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どうぞお気軽にご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、早稲田大学大学院法務研究科修了。相続に関する相談会や、労働問題のセミナーなどにも取り組んでいる。
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