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法律事務所オーセンスの相続コラム

孫に生前贈与するメリットは?非課税制度と注意点について解説

孫に生前贈与するメリットは?非課税制度と注意点について解説

孫への生前贈与を上手く活用すると、相続税や贈与税を節税できるメリットがあります。贈与税控除制度もたくさんあるので、上手に利用しましょう。孫へ生前贈与するメリットやお勧めの非課税制度、生前贈与するときの注意点について解説します。

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このコラムの監修者

  • 松尾洋志 弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所オーセンス

    松尾 洋志 弁護士(第二東京弁護士会所属)

  • 日本大学法学部卒業、日本大学大学院法務研究科修了。離婚や相続などの家事事件、不動産法務を中心に取り扱う。民事事件から刑事事件まで、幅広い分野で実績を持つ。

1.孫へ生前贈与するメリット

まずは孫へ生前贈与するメリットをみてみましょう。

1-1.節税できる

孫へ生前贈与すると、贈与された財産は相続財産ではなくなります。相続税は、死亡したときの相続財産の評価額に応じて掛かるので、先に孫へ贈与して相続財産を減らしておけば相続税を節税できます。

また、孫への生前贈与に適用できる贈与税の控除や非課税制度はたくさんあるので、そういったものをうまく使えば贈与税の負担も抑えられるでしょう。

1-2.孫の養育資金を用意できる

孫の成長や人生の過程では、学費、生活費、結婚、子育てのときの費用や住宅購入資金等、たくさんのお金が必要です。
こういった費用を孫に贈与することで、孫が安心して人生を送れるようになります。

1-3.死亡前3年間の贈与への相続税加算が適用されない

子どもや配偶者などの法定相続人へ生前贈与した場合、「死亡前3年以内の贈与」には「相続税」が課されます。つまり生前贈与してから3年以内に死亡すると、生前贈与がなかったものとして、相続税がかかってしまうのです。
しかし、生前贈与を受けるのが、孫である場合、この3年以内贈与の加算は適用されません。贈与してから3年以内に亡くなってしまっても、相続税が掛かる可能性がないので安心です。

1-4.遺産相続トラブルの防止

遺産を遺して死亡すると、法定相続人達が遺産分割協議を行って遺産相続方法を決めなければなりません。このとき、意見が合わずトラブルになってしまうケースも多々あります。
もっとも、先に孫へ生前贈与をしておけば、相続財産を減らせます。取り合いになる財産が少なければ少ないほど、遺産相続トラブルを防止できる可能性があります。

孫へ生前贈与すると色々なメリットがあるので、財産が手元にあって孫がいらっしゃる方は、ぜひ検討してみてください。

2.孫へ生前贈与するときの非課税制度

孫へ生前贈与するときの非課税制度

生前贈与は、贈与の一種ですので、原則として、贈与税の対象となります。もっとも、孫へ生前贈与するときには、以下のような贈与税控除や非課税制度を適用できます。

2-1.暦年贈与

暦年贈与は、贈与税の「基礎控除」を利用した贈与方法です。
贈与税には「1年に110万円までなら贈与税が掛からない。」という基礎控除があります。
孫へ生前贈与するときにも、年間110万円分までなら贈与税が課税されません。毎年110万円を超えない範囲でお金やその他の財産を孫へ贈与し続けた場合には、贈与税の負担なしに孫へ財産を移転できます。
暦年贈与では財産の種類が限定されず、現預金でも不動産でも株式でも、何でも贈与可能です。複雑な手続が不要で手間もかからないので、まずは暦年贈与から始めてみると良いでしょう。

2-2.相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、原則として、60歳以上の親や祖父母が20歳以上の子どもや孫へ生前贈与するときに最大2500万円分までの贈与分に対する税金が控除される制度です。
孫へ不動産等のまとまった財産を贈与するとき、利用すると良いでしょう。
ただし、相続時精算課税制度を適用すると、相続時に贈与時の時価で相続財産に組み入れられて相続税が課税されます。無税になる制度ではないので、注意しましょう。

2-3.教育資金の一括贈与

孫等へ教育資金を一括で贈与するとき、最大1500万円が非課税となります。利用の際には信託銀行に孫名義の口座を開き、そこへ資金を振り込んで管理を行うなどの手続をとる必要があります。
小中高、大学などの学費だけではなく、学習塾や習い事などの費用に使っても構いません。
孫の養育には色々とお金が掛かるので、小さいうちから活用すると良いでしょう。

2-4.結婚・子育て資金の一括贈与

20歳以上50歳未満の孫等へ結婚や子育てに掛かる資金を贈与すると、最大1000万円の贈与分が無税となります。金融機関等との一定の契約に基づき、銀行等に対して金銭を預け入れるなどの手続をとる必要があります。期間の制限もあるのでご注意ください。

2-5.住宅取得等資金の贈与

孫へ自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等のための資金を贈与すると贈与税の控除制度が適用される場合があります。
控除される金額は、住宅の種類や不動産の新築等の契約時期によって異なります。
例えば、住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合、2020年4月1日から2021年3月31日までなら最大1500万円が、2021年4月1日から2021年12月31日までなら最大1200万円が、それぞれ控除対象です。
なお、この制度は不動産そのものの贈与や住宅ローンの肩代わりには適用できないので、注意してください。

3.孫へ生前贈与するときの注意点

孫へ生前贈与するときの注意点

孫への生前贈与の際には、以下の点に注意しましょう。

3-1.お金の管理方法

特に孫が乳幼児などで小さい場合、贈与したお金の管理方法が問題です。本人は管理できないので、当然、「親(贈与者の子ども)」が管理することになるでしょう。
このとき、親名義の預金口座に孫への贈与金を振り込んだり、親が贈与財産を勝手に使ったりすると、「親への贈与」とみなされる可能性があり、そうすると、孫への贈与税控除制度を適用できなくなったり、後に、「特別受益」が問題となって相続トラブルが発生したりするおそれが高くなります。
そのため、孫への贈与財産を管理するときには、管理する方の財産と孫名義の財産をしっかり分け、孫名義の財産にはタッチしないことが重要です。
孫がある程度の年齢に達したら、本人に渡して管理を託しましょう。

3-2.贈与契約書を作成する

孫へ生前贈与をするときには、「贈与契約書」の作成が必須です。贈与契約書がないと、後に税務調査が入ったときに「贈与」と主張できない可能性があるからです。
孫が未成年の場合には、親である贈与者の子どもが契約書に署名押印をして契約書を作成しましょう。
親族間贈与においては、どうしても、「契約書なんて作成しなくて良い。」と考えてしまいがちです。もっとも、書面がないために大きなトラブルになるケースが多いので、これを決して軽く考えてはいけません。

3-3.税率に注意

孫へ生前贈与するときには、贈与税の税率に注意が必要です。
贈与税の税率には、一般税率と特例税率の2種類があります。孫が20歳以上の場合には特例税率となって税率が低くなりますが、20歳未満の場合には一般税率が適用されて高くなります。

特例税率 親や祖父母から20歳以上の子どもや孫への贈与

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1000万円以下 30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

一般税率 孫が20歳未満の場合の贈与

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1500万円以下 45% 175万円
3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

控除金額を超えて贈与すると、上記で計算された贈与税が掛かります。贈与税が発生したら、贈与した翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告と納税を行いましょう。

まとめ

孫への生前贈与を上手に適用できれば、相続税を減らしたり孫に必要な資金を与えたりできるメリットがあります。控除や非課税制度を適用して、節税しつつ贈与をしましょう。
今回は簡単なご説明にとどめていますので、相続対策で迷われたときには、お気軽に弁護士までご相談ください。

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