相続の3つの方法と相続手続きの流れ
- 相続財産調査は相続人調査と同時に最優先で行う。
- 相続をするか、しないかを決める。
- 3か月以内に決まらなければ、相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てを。
相続の方法には、単純承認、相続放棄、限定承認の3つの選択肢があります。それぞれの相続の方法の概要と相続手続きの基本的な流れをご説明します。
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相続の方法には、単純承認、相続放棄、限定承認の3つの選択肢があります。それぞれの相続の方法の概要と相続手続きの基本的な流れをご説明します。
相続人が被相続人(亡くなった方)の財産をすべて受け継ぐことを単純承認といいます。
プラスの財産だけではく、マイナスの財産(債務)もすべて受け継ぎますので、借金や損害賠償債務についても相続人が支払う義務を負うことになります。
以下の事由に該当すると、相続人が当然に単純承認したものとみなされる制度
法定相続人とは、民法で定められた相続人のことをいいます。法定相続人は、配偶者相続人と血族相続人に分けられます。
配偶者相続人とは、亡くなった方の配偶者(夫または妻)のことをいいます。配偶者相続人は、常に相続人となります。
たとえば、夫が亡くなり、妻が生きている場合は、必ず妻は相続人となります。
血族相続人とは、亡くなった方の子、親、兄弟のことをいいます。血族相続人は、常に相続人となるわけではなく、先順位の血族相続人がいる場合、後順位の血族相続人は相続人とはなりません。
相続放棄をすると、はじめから相続人ではなかったものとみなされます。
たとえば、被相続人の妻(配偶者相続人)と子(血族相続人:第1順位)が、どちらも相続放棄をした場合、被相続人の父母(血族相続人:第2順位)が生きていれば、父母が相続することになります。
被相続人の父母(血族相続人:第2順位)も相続放棄した場合、祖父母が亡くなっていれば、第3順位の兄弟姉妹が相続することになります。兄弟姉妹が亡くなっている場合は、甥や姪が相続することになります。
代襲相続
子が被相続人より先に亡くなっている場合の代襲相続は孫、孫が被相続人より先に亡くなっている場合はひ孫というように、被相続人の直系卑属であれば永久的に相続人になる制度です。
一方、兄弟姉妹の代襲相続は、甥・姪までとなります。また、相続放棄した者の直系卑属は代襲相続が認められていません。
相続人となるはずであった子または兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなった場合や、相続欠格や推定相続人の廃除によって相続権を失った場合に、その者に代わって相続人となる者を代襲相続人といいます。
相続人が被相続人(亡くなった方)の財産のすべてを受け継がないことを相続放棄といいます。
相続放棄は、いったん認められると撤回ができません。
相続放棄は、原則として撤回することはできませんので、3か月の熟慮期間内に相続財産調査を行い、慎重に検討してください。
原則として、被相続人が亡くなって自分が相続人となったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述を行います。申述が受理されると、裁判所から受理証明書が発行されます。
3か月の熟慮期間内に相続人が相続財産の状況を調査しても、なお、単純承認、限定承認又は相続放棄のいずれを選択するかを決定できない場合には、家庭裁判所に、相続の承認又は放棄の期間の伸長の審判申立てを行うことで、熟慮期間を伸長することができます。
相続放棄の申述によって相続放棄となるのは、申述した本人のみです。法定相続人全員が相続放棄をする場合には、全員が申述をする必要があります。
また、相続放棄を申述するにあたり、他の法定相続人の承諾は必要ありませんが、あとでトラブルになってしまうことも多いので、他の法定相続人にもあらかじめ相続放棄の意思を伝えておくとよいでしょう。
相続放棄を申述した場合でも、遺族年金や生命保険金(受取人となっている場合)は受け取ることができます。
相続人の債務が不明で、財産が残る可能性もある場合などに、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐことを限定承認といいます。
相続人全員の合意が必要
手続には、相続人全員の合意が必要です。ただし、相続放棄をしている人の合意は必要ありません。
限定承認に必要な手続き
原則として、被相続人が亡くなって自分が相続人となったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に限定承認の申述を行います。
民法第891条にある相続人の欠格事由にあたる者については、相続人の資格を剥奪される制度です。この場合には、被相続人の申立てがなくても、当然に相続権を失うことになります。
相続人の欠格事由
第891条次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
相続人廃除とは、被相続人がその者に相続させたくないと思うような非行があり、その者に相続させたくない場合、被相続人の請求によって家庭裁判所が審判によって相続権を剥奪する制度です。
推定相続人の廃除
第892条遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
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